タマタマがない!~停留睾丸について~part2

2009 / 01

今回は前回に引き続き、停留睾丸についてのお話です。

停留睾丸と腫瘍化について

前回お話したとおり、停留睾丸と腫瘍の関係は切っても切れない関係にあります! 停留睾丸(特に皮膚の近くに睾丸があるタイプ)の腫瘍の多くは、早期の状態であれば、 転移など腫瘍の悪影響があまりないものが多いようです(一部には「悪性」のものもあります)。そのため、早期に発見され摘出さえできれば、それ以後の生活に支障ありません。ところが腫瘍そのもの以外に、もうひとつ「大変大きなリスク」を抱えているのです!

血液の異常!

停留睾丸の腫瘍の多くは、大量のホルモンを分泌して骨髄をダメにしてしまいます。その結果、重度の貧血(ひんけつ)状態に陥らせたり、血液を止める機能などを低下させてしまうのです!そのため、腫瘍を摘出手術するにも、貧血状態や血が止まらなくなってしまうという「危険性」をともなった治療になるという可能性を考慮する必要があります。

腫瘍になると

場所にもよりますが、腫瘍で大きく膨らんできているのが外からもわかる場合があります。特に股の付け根付近にできたものは、肥大化した腫瘍に気がつくことが多いようです。一方で、お腹の中にできた腫瘍(こちらのほうが悪性度の高いものが比較的に多いです) の場合には、なかなか発見できる機会が少なくだいぶ大きくなって初めて気がつく場合が多くなります。もうひとつ、ホルモンの過剰分泌の影響から、本来オスである筈なのに、「お乳が張る」「乳頭が大きくなる」または「陰茎が小さくなる」といったメス化現象という見た目の異常がよくみうけられます。早期に治療を!このように腫瘍の末期では、生命の危険をともなう治療になってしまいます。

  1. 腫瘍化する前に睾丸を摘出してしまう方法を選ぶ
  2. 腫瘍に気づいてから「なるべく早期に」摘出する方法を選択する

以上が陰睾丸に対する治療の基本です。そのため、もし健康診断等で停留睾丸であることが発見された場合には、まず睾丸の場所を知ること、その後の定期的な検診は是非行ってください。

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