水をよく飲む?~Part.4 猫の糖尿病1~

2016 / 08

今月も引き続き「多飲・多尿」のトラブルについて触れたいと思います。
今回は「猫の糖尿病」による多飲・多尿です。

糖尿病とは?

血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまった結果、尿にブドウ糖が出てしまう病気です。

原因は?

遺伝疾患とされていますが、膵炎・ホルモン異常および肥満などが引き金になります。

  • 膵臓から分泌される「インスリン」が「不足」するまたは「枯渇」する
  • 「インスリン」が分泌されてもうまく利用できない

これらの原因でブドウ糖が組織に取り込めずに血液中に貯まってしまいます。

症状は?

濃くなった血液を薄めようと喉が渇き(多飲)した結果、薄い色のおしっこが多く出る(多尿)となります。
代わりに糖分不足を補おうと脂肪や筋肉を分解してエネルギー源に利用するため、削痩(やせてくる)となり、重症になると、神経異常・嘔吐やショック状態にも陥ります。

診断は

健康な猫たちでも、病院に来たストレスだけで血糖値が上がってしまいますので、複数の血液・尿検査を行い、総合的に診断します。

治療法は

治療の基本は、飼い主さんがインスリンを注射して補充していきます。血糖値を維持するには個人差があり、インスリンの種類・量・投与時間等まちまちです。食欲・高血糖・低血糖の状態を考慮しながら慎重に行います。
老猫さん・太った・痩せた猫たちの場合、インスリンの吸収に問題が生じやすく、血糖値のコントロールは困難な傾向にあります。一方で、どうしても血糖値が安定しない、または効果がない場合には、膵炎・ホルモン異常・感染症等の病気が裏に隠れている場合があります。

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