猫の慢性腎臓病に~新薬登場~

2017 / 04

今月から慢性腎臓病の新しい治療薬が利用できるようになりました。今回は、この新薬について触れてみたいと思います。

慢性腎臓病とは

以前にも触れましたが、腎臓の主な機能は、血液から尿を作り体内の老廃物を排泄することです。
多く尿を作る為には、腎臓内への多くの血液とネフロン(尿を作る部分)があればあるほど多く尿を作ることができます。腎臓には余力が備わっており全体の6~7割の機能を失っても支障はありません。
猫の腎臓も高齢(約10歳)になると徐々にネフロンが減ってきてしまいます(腎臓病の始まり)。猫の腎臓病の原因については一部ウイルス感染も示唆されていますがその多くは解明されていません。

腎臓病を悪化させるものとして

当然ですがネフロンそのものにも「血液」は必要です。ところが、腎臓病になると血管に「血栓」が出来てしまい栄養・酸素の欠乏が起きます。それと同時に「炎症」や「線維化」も起きるため、結果としてネフロンが消失(壊死)してしまいます。またこれらのネフロンの消失現象は、周りにも広がり腎臓病が進行します。

新薬の効き目とは

この新薬は、血管を強める・抗炎症・血管の広げる・血栓を抑制するということで、ネフロンの消失を遅らせる効果が期待できます。
この成分は、もともと自分でも作られている物質です。ただし効果を示す時間が短く持続的ではありませんでした。新薬はこの物質を人為的に作り出し長く持続するようコーティングしたそうです。

残念ながら

ご存知ととおり腎臓の細胞は再生することはありません。相当ネフロンが消失しているような末期の腎臓病には期待薄なのは以上の理由からお分かりいただけるかと思います。早期段階の治療開始は必須といえます。
この新薬が一日でも長く愛猫との生活を可能にしてくれるものと期待しています。