匂いで味見する?

2006 / 09

今回は動物たちの味覚についてお話しましょう。

食餌の移り変わり

以前、動物たちの食餌といえば、犬はヒトの食べ残し、猫ではカツオブシご飯、というのが主たるものでした。
しかし「動物たちは伴侶動物(コンパニオン・アニマル)である」という意識が高まるにつれて、栄養面でバランスのとれている「ペットフード」が普及してきました。
現在ではさらに、フードの「グルメ嗜好」の波も押し寄せています。

動物たちの味覚はどれぐらい?

味には、「しょっぱさ」「すっぱさ」「甘さ」そして「苦さ」があるといわれています。これらの味は、舌にある「味らい(みらい)」とよばれる部分でそれぞれ感じ取ります。
犬や猫の場合、この味覚が人間よりかなり劣っているようで、「すっぱさ」「苦さ」については、それなりに感じ取られるようですが、「しょっぱさ」については、かなり鈍いようです。また、「甘さ」については、猫にとって、大変感じとりにくい味覚だといわれています。
その根拠として、犬は「甘党」が沢山いますが、猫には甘党がいないことがよくあげられます。

味覚の代わりとなるもの

犬や猫は、味覚が劣っている代わりに、優秀な「嗅覚」を持っています。
味覚の発達している人間は、一口たべて味見をしますが、犬・猫たちは匂いを嗅ぐことで味見をします。

注意しましょう

ペットフードのグルメ嗜好化により、たいへん味のこえた動物たちが増えています。
それが原因となり、いざ病気になったときに必要とされる「治療食」が、満足に食べられないケースが増えてきています
。フード選びの理由に「よく食べてくれるから」を第一選択肢にされる飼主さんが多いようですが、いざというときのことも多少念頭に入れたフード選びも大切なことです。

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