格好の隠れ家ですが…

2007 / 01

先日、大学の先生より興味深い講演をいただきました。そこで今回は予定を変更。そのお話をみなさんへお伝えしたいと思います。

2匹とも肝臓や腎臓の機能不全?

このお話は、猫が何らか体の変調をきたし、精密検査のため大学病院へ来院したのがきっかけだったそうです。
猫(同居の2匹)たちを診察した結果、両者とも肝臓および腎臓に機能不全がみつかりました。
この症例には、何らかの中毒が関係しているとにらみ、飼主さんから、その中毒となる原因を探ろうといろいろ聞き出したものの、原因の特定には至りませんでした。
ただひとつ、猫たちが日頃過ごす場所が気になり尋ねたところ、「クローゼット」という回答でした。

目に見えない危険

クローゼットなど狭く身を隠せる場所は、猫たちにとっては格好の隠れ家です。
しかし、そこには目に見えない危険がありました。「防虫剤」から気化された化学物質です!事実、飼主さん宅のクローゼット中から高濃度の化学物質が検出されました。

気づかぬうちに高濃度!

防虫剤由来の化学物質には、高濃度で吸引すると肝毒性や腎毒性などを引き起こす可能性が示唆されています。
また、ある種のトイレの消臭剤にも使用されているようです。
注意すべき点は、たとえ通常通りに防虫剤を使用したとしても、換気や部屋の大きさ等の条件においては、高濃度の状態で充満してしまう可能性があるということです。
換気することはもちろんのこと、できるだけクローゼットや洋服ダンスなど、防虫剤の使用している場所に近づけないよう注意することが肝心です。

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