生き残るカリシウイルス

2013 / 02

人のインフルエンザが流行するこの時期、猫たちの「風邪」も本番を迎えています。そこで今回は猫の「ウイルス性鼻気管炎(風邪)」に関連したお話をしましょう。

猫の鼻気管炎の原因

猫の鼻気管炎は、「ヘルペスウイルス」と「カリシウイルス」が原因になっています。
その他、細菌などの微生物も混合して起こす場合もあります。

おもな症状

  1. ヘルペスウイルス
    どちらかというと、目の症状が強くあらわれます。「ひどい目やに」や「結膜炎」また「ひどい鼻水」などで、顔面がぐしゃぐしゃになることもあります。
  2. カルシウイルス
    口の中を中心にした症状が強く現れます。歯ぐきなどに炎症を起こす「口内炎」や「舌の潰瘍(かいよう)」ができます。

病気がなくならない理由…

(※ヘルペスウイルスについては「2005/11 悪賢いウイルス!?」をご参照ください。)
カリシウイルスは、人のインフルエンザと似た特徴があり、遺伝子が少しずつ「変異」するという特徴を持っています。変異するイコール、ウイルスの形が少し変わる(猫にとって新しい異物)ということです。猫たちにとっては、ウイルスの形が変わる毎に、新たな免疫物質(抗体など)を作り直す必要があるということ示し、たとえ予防注射をしていても症状が出たり、治癒(治り)が遅れたりすることになります。
もし、大きな遺伝子変異が起きた場合には、地域での大流行や、成猫でも死亡するなど重篤化する可能性もあります。(外国では、強力なカリシウイルスの感染が起きているそうです)

猫のワクチン重要性

猫には「記憶細胞」というものがあり、ワクチンの記憶がここに残されています。ただ、時間を経るに従い、その記憶が薄れてきてしまいます。そのため、定期的にワクチン接種を行い、記憶を残しておく必要があることは言うに及びません。

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