新しいノミ・マダニの新しい駆除薬

2014 / 07

5月に新しいノミ・マダニの新しい駆除薬の話に触れましたが、今月からこの駆除薬をお出しできるようになりました。そこで、今回は、ノミ・マダニについて、もう一度簡単に整理してみたいと思います。

ノミついて

ノミは、動物から動物(人へも)へ移動して寄生します。オス・メスとも動物を吸血し、体表で繁殖(産卵)をします。
産卵した卵は、動物から離れ、床・ベッド・ソファーなどの隙間に落ちてふ化をします。幼虫は、床付近などに落ちているフケやゴミなどを食べて、蛹(さなぎ)になり最後に成虫になります。
ノミの繁殖力はとても強く、1日に数十個もの卵を産むことができます。 卵→成虫というサイクルは夏場で約2週間ですから、短期間で爆発的にノミが増殖してしまうことになります。

ノミの被害について

吸血は、動物に対し「アレルギー反応」をひき起こす可能性があります。腰や尻尾の周りを中心に湿疹ができてとても痒がり、人の場合には足元が痒くなる特徴を持っています。大量の吸血が起これば「貧血」をも引き起こします。
一方、グルーミングなどでノミを体内に飲み込むと、「瓜実条虫」を腸管に寄生させるきっかけになり、慢性的な下痢や体重減少の原因になります。

ダニについて

数ミリと小さいマダニは、草むらに潜んで誰か近寄るのを待っています。動物などが通りかかると、飛びついて捕りつきます。
寄生動物などから吸血をし続け、目に見えるくらいにまで大きく(約10ミリ)膨らみます。吸血し終わると落下して自然界に戻り産卵をします。

ダニの被害について

皮膚炎以外に以下の病原体が移される可能性があります。

  1. バベシア(原虫)に寄生されると、犬に貧血黄疸など重篤な疾患に陥ることになります。
  2. HFTSウイルスに感染させられると、「重症熱性血小板減少症候群」という、人に重篤な疾患に陥る可能性があります。

新しい内服薬の登場

従来のスポット(皮膚にたらす)タイプと違い、月に1度飲ませるだけで済むので大変に簡便です。また、味もビーフフレーバーのソフトタイプで、嗜好性も高められています。

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