マダニから感染するバベシア症

2012 / 10

酷暑からやっと秋らしい季節を迎え、ほとんどの犬たちや飼主さんが、ほっとしていることだと思います。ところがこれからは、暑さで活動を控えていたノミ・マダニ・蚊たちが再度活発し始める時期でもあります。
そこで今回は、マダニの寄生と、マダニから感染する「バベシア症」という病気を中心に触れてみたいと思います。

マダニは待ち構えている!

草むらのマダニは、草の先端付近で手を広げ、通り過ぎる「犬たち」を待ち伏せしています。

犬から血液を吸い取ります。

うまく犬に飛び移れたマダニは、さっそく犬の血液を吸い始めます。ノミと違い、マダニでは幼ダニから成ダニまで吸血行為を行います。

「バベシア」を犬に移します。

バベシアに感染しているマダニの吸血行為は、バベシアと呼ばれる寄生虫(原虫)を犬に移すきっかけになります。また、すでにバベシアに感染している犬では、犬同士の激しい喧嘩でも感染する可能性があります。

バベシア症にかかると

皮膚から侵入したバベシアは、犬の赤血球内に入り込みます。感染された赤血球のみならず正常な赤血球までも破壊させることでバベシア症が発症します。
犬の抵抗力などで個体差こそありますが、主な症状として…
・貧血(歯ぐきや結膜の色が白っぽく感じる)
・臓器の腫大化(肝臓や脾臓が腫れる)
・発熱(体温が40度以上になることも)
・元気の消失(動きたがらない)
・黄疸(茶色い尿がでることもあります)
・重症の場合には死にいたります。

以前は西日本での病気でした。

バベシア症は西日本での病気でしたが、今では神奈川県にも範囲を広げているという報告があります。

発見時ではもう感染?!

とても小さいマダニでも、吸血を続けると、体重で100倍も大きく膨らみます。
多くは、大きく膨らんだマダニ(吸血をして数日間は経過)として見つかるために、すでにバベシアに感染している可能性が多いようです。

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