声がおかしくないですか?(大型犬に多い喉頭麻痺)

2010 / 05

今月は「喉頭麻痺」のお話をいたしましょう。
喉頭麻痺は、「高齢のラブラドール」を中心とする大型犬に起きる呼吸の異常が特徴です。

症状は?

声が変わり、呼吸がしにくくなります!
麻痺により上手く喉(のど)が開かないために、特に空気を「吸い込む」ときに苦労をします。
また、「ひゅうひゅう」というような異常な呼吸音も聞こえてきます。

原因は?

多くは原因不明とされていますが、ホルモン異常による喉(のど)を開かせる筋肉神経系のトラブルだと考えられています。
その他、胸部や心臓付近に腫瘍がある場合でも、同様な症状が起きます。

注意点

犬たちは呼吸で熱を逃がして体温調節をしています。
そのため、「喉頭麻痺」の状態では「熱中症」にも陥りやすくなります。
また、無理をして呼吸を続けると、喉(のど)の部分が腫れてさらに呼吸状態を悪化させる事態にもなります。

治療法

救急の場合、酸素吸入や注射処置・体を冷やすなど、呼吸を楽にして喉の腫れ炎症を取り除く処置が必要です。
また、麻痺が重度の場合には、専門医による手術を選択する場合もありますが、術後の呼吸不全・肺炎など合併症のリスクの高い選択肢になります。

予防法

原因が不明であるため、これといった予防法はありませんが、甲状腺のホルモンの低下と関連しているようです。
そのため、定期的にホルモン濃度を測定して、少ないようであれば補充していくのは予防に意味があるかもしれません。

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