泌尿器系の結石について~Part.2~
2014 / 04
今月も、泌尿器系(腎臓から尿道)にみられる結石について触れてみたいと思います。
代表的な結石について
- ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
結石成分の半分以上を占めます。食餌の内容や水分不足が原因となり、遺伝する可能性があります。
ストルバイトは病院治療食で治療と予防が可能です。 - シュウ酸カルシウム
結石の20~30%を占めます。これも食餌の内容や水分不足が原因となり、遺伝も関係しています。一部ホルモン異常も関係しています。
残念ですが、シュウ酸カルシウムは病院治療食でも治療・予防が困難で、大きくなったら摘出が必要です。
細菌が作る結石?
細菌の感染が、結石の原因となる場合があります。尿道から細菌が侵入し、膀胱に移動して細菌がここで増殖します。
増えた細菌は毒素を分泌しますが、この毒素は、尿の成分を変化させ、結石を作る可能性があります。
尿検査で、細菌感染と結晶が認められた場合には、抗生物質等の抗菌薬を使用すると、結晶が溶ける(消える)可能性があります。
細菌・結石と関係のない膀胱炎!?
猫では、細菌が関係する膀胱炎は、犬ほど多くないといわれています。細菌の感染もなく、結石も見つからないような膀胱炎を「特発性膀胱炎」といわれます。
特発性という意味は原因不明という意味で使われます。
この特発性膀胱炎に対する、猫用の病院治療食が発売されました。尿検査をしても細菌感染もなく結石も検出されない猫たちには有効かもしれません。