めまいで歩けない!~Part.1~
2018 / 06
今回は、高齢の犬たちに多く見られる病気のひとつ、突然に片側に首が曲がりクルクル回る「前庭疾患」についてふれてみたいと思います。
耳の構造
耳は外側から奥に向かって「外耳」「中耳」「内耳」と分けることができます。
奥の内耳では、音の振動を「蝸牛管」、バランス機能は「三半規管」、と呼ばれる器官によって脳に情報を伝えています。
三半規管
半チューブが3本あるため「三半規管」と呼ばれます。
管の中は液体が満たされており、頭を動かすと中の液体も移動して動きを感知します。
半規管はそれぞれ90°方向の違う立体構造のため、3つの情報を脳は立体的に捉え平衡感覚(バランス)を保つように処理します。
前庭疾患とは?
内耳の「三半規管」または動きの情報を伝える「神経経路」に何かしらの異常が起きるのが「前庭疾患」です。
症状
平衡感覚が乱れるための症状
- 「めまい」:歩けてもよろける
- 「旋回運動」:同じ方向にクルクル回る
- 「斜頸」:左右のどちらかに首を傾ける
- 「眼振」:規則的に黒目が上下左右や回転する
重症になると「食欲不振」「嘔吐」「起立不能」がみられます。