母乳が出る?
2018 / 12
妊娠していないのに乳腺がはってくる、時には母乳まで出てくる…あたかも妊娠したような状態を「偽妊娠」と呼びます。
今回はメスの犬に起こる偽妊娠を中心にふれてみたいと思います。
犬の発情期について
生後6~12カ月で初めて発情兆候が訪れ、人と同様に生理(出血)がみられます。
個人差はありますが、発情はおおよそ春と秋の年2回、20日くらい続きます。人は生理前に排卵が起きますが、犬は生理が始まった「約一週間後」に排卵するのが特徴です。
偽妊娠の特徴
偽妊娠には個人差が多く、発情兆候が終了してから数週間~2か月の間に起きます。
排卵後の黄体ホルモンの作用で、乳腺の腫大、透明な液体~母乳の分泌、巣作り行動、イライラ怒りっぽくなる、食欲の低下などがみられますが、通常2~3週間で元に戻ります。
重症の偽妊娠
一方で母乳の分泌量が多く、乳腺に熱感や痛みが生じる場合があります。この場合には乳房を冷やす等炎症を取る必要があります。
また、乳房を舐めたり、おもちゃを子に見立てて子育て行動をする場合は、偽妊娠を重たくさせたり長引かす原因にもなりますので、服やカラーを装着させる、おもちゃを取り上げるようにします。
さらに1か月以上続く偽妊娠では何かの病気が隠れている可能性があります。
かかりつけの病院に相談しましょう。
予防策
ホルモンの作用からくるものなので、避妊手術を行い「卵巣」を摘出することで予防します。避妊手術には子宮や卵巣の病気予防にもつながり、さらに早期に手術を行えば乳腺腫瘍の予防効果もあります。