冬に多い尿路閉塞
2020 / 01
寒くなるとトイレに行くのがおっくうになりがちです。動物たちもこの時期は尿路系の異常が増えます。特におしっこが出ないときは緊急を要する事態です。今回は尿路閉塞についてふれてみたいと思います。
尿路系とは
身体の老廃物は腎臓で尿を作り、以下の経路で体外へ排泄されます。
「腎臓」→「尿管」→「膀胱」で蓄えられ、「尿道」→「陰茎」「陰部」から排泄されます。冬には水分の摂取量減少によって尿が濃縮されたり、身体の抵抗力が低下したりすることから、「結石・結晶」「膀胱炎」が発生しやすくなります。
尿路の閉塞の原因は?
閉塞する原因は主に「結石」・「結晶」・「炎症細胞」です。閉塞は尿道の太さに影響を受けるため、特にオス猫は尿道が非常に狭く、砂状の結晶ですら詰まらせることがあります。
近年では食餌をはじめとする予防や治療がしっかり行われるようになったため、従来の結石・結晶そのものの発生は減少傾向にありますが、一方で溶けにくい結晶(シュウ酸カルシウム)の比率が上昇し、原因不明の排尿異常による閉塞や膀胱炎も増加しています。
兆候を知っておきましょう
- トイレに頻繁に行く
- トイレ時間が長い
- 尿が少ししか出ていない
- 陰部をしきりになめている
- 尿が赤い
- 変な鳴き声を出す
- 食欲・元気がなくなる嘔吐する
これは緊急事態です
尿路の閉塞が続くと体内の老廃物がたまり、最悪、ショック状態・不整脈から心停止して死亡します。以上の兆候を見逃さないように注意しましょう。