免疫の主人公

2020 / 12

海外では念願の「新型コロナウイルスワクチン」の接種が始まりました。ワクチンの効果を得るには「白血球」の果たす役割が非常に重要です。今回は白血球の種類とその役割についてふれたいと思います。

好中球

細菌感染を受けると動員されるのが「好中球」です。傷口が化膿すると膿(うみ)がたまりますが、これは主に「戦い終えた好中球の死骸」です。重篤な細菌感染を受けた場合、好中球が使い果たされ、敗血症など命にかかわる場合もあります。

リンパ球

ウイルス攻撃の主役です。大きく「Tリンパ球」と「Bリンパ球」に分けられます。「Tリンパ球」がウイルスを直接攻撃するのに対し、「Bリンパ球」は抗体を作って間接的に攻撃します。

リンパ球は、一度感染した異物の情報を長期的に記憶します。そして二度目に感染した時には、迅速・強力に対応し排除します。

ワクチンは、ウイルスの死骸や一部分などを体内に投与し、リンパ球などに記憶させることにより、次の感染に備えることを目的に使用されます。

単球

別名「マクロファージ」と呼ばれ、体内に侵入した異物や細胞の死骸などを取り込み処理します。
取り込んだ異物の情報はリンパ球へ提供し、逆にリンパ球からも情報を得て能力を増強します。

その他

他の白血球と比較して割合は少数ですが、寄生虫の寄生で動員される「好酸球」という白血球もあります。「好塩基球」という白血球などとともに、アレルギーの疾患に関係しています。

新型コロナウイルスワクチンは過去に経験したことのない方法(遺伝情報を注射)で作られたワクチンです。安全に感染が抑えられることを切望します。

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