食品衛生の社会ではたらく獣医さんもいます

2023 / 01

このほど食品の衛生に関係する法律が改正された報道を耳にしました。興味があったので、今月はその件に少しふれてみたいと思います。

私はおもに犬猫を対象とした診察を行っていますが、同じ獣医系大学を卒業し国家試験に合格したかたは、さまざまな分野の仕事に就きます。なかには公務員になって、おもに食品の衛生を対象として「人の健康にかかわる仕事」を生業とした獣医師さんもいます。
食品の衛生に従事する公務員の獣医師は、食品関係の法律が適切に守られているかを監視します。

漬物や味噌麹を作る際の「衛生に関する法律」が厳しくなった

衛生状態をよりよくするために、自家製のような漬物(たくあんキムチなど)や味噌麹を製造して販売するのに必要な法律が厳しく改正され、衛生管理がより徹底されることになりました。改正された法律を守って製造・販売するには、設備などにお金がかかります(海外産の食品でも同様の法律を守らなければ販売は禁止です)。今まで購入して食べてきたなじみの食品が購入できなくなるかもしれません。食いしん坊の私にとっては残念なことです。

粉ミルクの法律が変わった

以前、新生児や乳児が口にするミルクは「粉」だけでした。乳児用液体ミルクは衛生面などの問題により長らく禁止され、粉ミルクの製造・販売のみが許可されていたのです。
ところが震災などの災害時、粉ミルクを飲ませるのに必要な「衛生的な水」の調達が困難となったことから、被災者の声が国を動かして法律が改正され、乳児用液体ミルクの販売が解禁されたのです。

これら法律の詳細は、厚労省のホームページでも確認することができます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/

食品の衛生に従事する仕事以外にも、環境の衛生・診療・研究員・教員など、獣医師の資格を必要とする仕事はたくさんあります。皆さんもおそらく耳にしたことがある、鳥インフルエンザ・豚熱・エボラ出血熱・猿痘などにも獣医師が従事しています。
詳細について、今後ふれてみたいと思います。

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