昨今の話題から~part2~

2024 / 04

先月下旬、新たに猫用糖尿病治療薬が認可されました。
今回は猫の糖尿病とその治療薬についてふれてみたいと思います。

猫の糖尿病

猫の糖尿病は、「膵炎」のよる膵臓ダメージや、ヒトの2型糖尿病に類似したメタボリックシンドロームなどが原因で起こることが多いようです。2型糖尿病は、主にインスリンの効き目が悪くなるために血糖値が上昇します。
血糖値が上昇した状態が続くと多飲・多尿・体重の減少がみられます。

尿に糖が混じる仕組み

腎臓は血液成分から尿の元(原尿)を作り、身体に必要な成分は途中で再吸収されます。糖分も同様に再吸収されますが、高血糖により糖が多すぎると再吸収が限界となり尿に糖分が混ざります(糖尿)。

新しい糖尿病治療薬は

腎臓での糖分の再吸収を阻害し、尿から糖を排泄させることで血糖値を下げます。
体重が減るため、ヒトではダイエット薬としても利用されています。
猫の糖尿病治療の基本は「インスリンを補充」する事ですので、この新薬は補助的な使われ方になるかもしれません。
新薬の注意点として、尿路の感染や脱水症状になりやすい点です。猫たちの多くは腎機能の低下を伴いやすいので脱水症状には注意が必要です。

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