「脂肪」だからといって嫌わないで!
2005 / 05
脂肪といっても体にいい話です。近年「さかな」、特にマグロやサバ・イワシなど、俗にいう青魚類に多く含まれる脂肪酸(不飽和脂肪酸)の有効性が注目されているのをご存知でしょうか。
その代表格が「DHA」・「EPA」といった脂肪酸です。脂肪酸とは、食餌から摂取された脂肪が、消化管内で分解吸収されたもので、エネルギー源や細胞膜の構成成分など生命の維持に大切な働きを担っています。
DHAやEPAに認められる効果
- 炎症の緩和・調節
消炎作用により「皮膚の炎症のよる痒み」、「関節炎の痛み」に対して症状を軽減させます。そのため本来の治療に不飽和脂肪酸を併用することで、薬の投与量や期間を軽減できることができるほか、ひいては、薬によって起こりうる副作用の可能性を減らすことになります。 - 血栓症を予防する
血小板の凝集を防ぐ作用を持ち、血栓(血の塊)を作りにくくします。特にホルモン異常や心臓疾患をもつ動物に有効といえます。 - 血圧を低下させる
体内のトリグリセリドとコレステロールを減らすことで血圧を下げてゆきます。 - 腫瘍に対する効果
実験の段階ですが、腫瘍細胞を殺したり、腫瘍細胞の成長を阻害させたり、腫瘍をやっつける免疫を増強する作用が見出されています。 - 痴呆に対する効果
動物の痴呆症(認知機能障害)に対し、減弱した神経細胞を活性化させ、ビタミンEなどの抗酸化成分と互いに働きあい神経の傷害の改善に役立つ作用を有しているといわれます。そのため、不飽和脂肪酸の製剤や病院食が利用されています。
この点に注意しよう!
不飽和脂肪酸は、脂肪酸同士の組合せやその量、各種ビタミンや亜鉛・セレンなどの微量元素の共同作用などで、はじめて有効に働きます。
やみくもに摂取しても有効に働きません。