市内で診断された感染症~Part.1~
2025 / 02
公益社団法人横浜市獣医師会では、各会員から得られた感染症診断の情報を集め公表しています。今回は市内で発生した感染症についてふれてみたいと思います。
犬糸状虫症
「フィラリア症」のほうが馴染み深いかもしれません。
蚊の吸血により感染し、最終的に心臓に寄生します。心不全の症状を示して死亡する場合もあります。まれに人や猫に寄生する場合もあります。定期的な薬の投与により寄生を予防します。
マダニ
草むらにひそむマダニが飛び移り寄生します。マダニが人や動物を吸血する事をきっかけにウイルスや菌などを移す可能性があります。
春から秋にかけてマダニが活発になる時期には定期的な予防薬の投与や肌を露出しない服装での外出が推奨されます。
東洋眼虫
ハエが動物の涙を舐めることをきっかけに東洋眼虫を移します。寄生を受けると結膜炎や目ヤニがみられます。治療は1ミリ程度の東洋眼虫を見つけ出して一匹ずつ摘出します。フィラリア症の予防薬も有効ですが効果に時間がかかります。
皮膚糸状菌症
一般的には水虫と呼ばれるものです。動物では脱毛が周囲に広がっていきます。皮膚の抵抗が落ちている場合や幼弱な動物に多く、接触により感染します。人から動物・動物から人へ感染します。一度感染すると長期の治療を必要とします。
猫ウイルス性鼻気管炎
感染猫のくしゃみや鼻水などに含まれるウイスルが感染します。目ヤニ・くしゃみ・食欲不振や口内炎などがみられ、持続的にウイスルが身体に潜んで抵抗力が落ちると再び悪さをすることがあります。
人の風邪と同様に休養や栄養をとり、体を温めることで免疫を上げて症状が治まります。猫ウイルス性鼻気管炎用のワクチンが利用できます。
- 猫伝染性腹膜炎
- 猫白血病
- 猫免疫不全
- レプトスピラ感染症
- MRSA・MRCNS