食道のはなし~Part.1~
2025 / 06
人間と比べて犬や猫たちが頻繁に「吐く」機会が多いことに気が付いているかと思います。その原因の一つに食道があります。今回は「食道」についてふれてみたいと思います。
食道の機能
食道は、ホースのような筒状ではなく、普段は平らに押しつぶされています。食べものが通るときだけ広がって胃に送り込みます。
食べ物をうまく移動させるために、「表面の粘膜は厚く丈夫に」「ぬるぬるの粘液を分泌して滑りをよく」「強い筋肉の蠕動運動」がともに協調して作用します。
筋肉に違い?
食道に分布する筋肉に違いがあります。犬や猫の食道は「横紋筋」と呼ばれる自分で意識して動かせる筋肉が発達しています。一方、人の食道は「平滑筋」と呼ばれる自分で意識して動かすことができない筋肉が発達しています。
「吐く」には訳がある
犬や猫は、人のように器用に指をのどに入れて吐くことはできません。犬や猫たちは、摂取してしまった有害な物質・毛玉などを外に出したいとき、子犬・子猫に胃で消化された食餌を「離乳食」として与えたいときなどには意識して吐き戻すことができます。