新ルール?
動物愛護を担当する環境省は、9月21日、生後間もない犬や猫の販売を禁止する方針を明らかにしました。
これは、生後8週齢に満たない子犬や子猫を販売してはいけないというルールの検討がなされることを意味しています。
業界の実情
環境省の「ペット動物流通販売実態調査報告書」によると、犬の平均販売日齢は40~50日未満が53.0%、50~60日未満が28.8%と、全体の8割強を占めています。
一方、猫の平均販売日齢は50~60日未満が40.5%、40~50日未満が29.8%、60~70日未満が19.8%となっているそうです。(販売日齢=販売された時、生後何日目か)
つまり、犬は平均47.9日、猫は平均51.8日と、幼くして新しい飼主さんの元へ貰われていることが分かります。
なぜ「8週齢」以降?
子犬や子猫たちは、生後約4週で、離乳し始めると同時に、母親や同腹の兄弟たちと「遊び」という「勉強」を始めます。
この遊びが、将来に結びつく経験となり「知恵」や「掟」を学び取るのです。この係わり合いをもつ時期は、最低でも4週間は必要だといわれています。
ところが、現在の販売日齢は非常に短く、さらにそれ以前に仕入れられることを考慮すると、「遊び」の期間が非常に短い「係わり合い不足」の動物が販売されていることになります。
そして「係わり合い不足」が、のちに動物の問題行動の原因となり、ひいては飼主さんの飼育放棄につながるケースが後を立たないのが現状です。
また、幼弱であればあるほどストレスに弱く、病気にかかる可能性も高くなります。
将来の飼主さんへ…
幼ければ幼いほど、子犬や子猫は可愛いもの。飼主さんがその可愛さのため、飼ってみたいという衝動が強くなるのは事実かもしれません。
しかし、今の見た目だけではなく、彼らが成獣になっても一生にわたって責任を持ってつきあえるのか、また、すでに「知恵」や「掟」が身についているか、じっくり見定めてから購入を決めていただけたらと思います。