この春の話題:便利な注射薬
2012 / 05
今回は、一度の注射で、効果が長く続くお薬の話をしたいと思います。
特徴
体内に侵入した細菌をやっつける「抗生物質」のひとつです。このお薬、約2週間持続して効果を示します。
犬に対して…
気温の高くなるこれからの季節、皮膚のトラブルで「細菌感染症」が頻繁に起こります。
従来ですと、細菌感染には、最低でも1週間から2週間、内服薬を一日1回ないし2回は飲ませる必要がありました。
また、膀胱炎をはじめとする、「尿路系の細菌感染」も同様に長期の内服が必要でした。
猫に対して…
犬と同様に、皮膚の「細菌感染症」対策に認可されています。多くの飼主さんが経験していると思いますが、猫たちにお薬を飲ませることは、困難を極める場合が多いと思います。とくに、一度失敗したり、毎日飲ませる事を繰り返すと…
その他
長所として、内服薬の副作用で、嘔吐や下痢といった「胃腸障害」を引き起こす心配がありましたが、注射による投与法であるためこの心配がなくなりました。また、目的外の使用となりますが、飼主さんとの同意のもと、手術後の感染予防としても利用することも可能です。
※人の医学の世界と同様に、動物の世界にも抗生物質に抵抗する細菌(多剤薬剤耐性菌)の発生が報告されています。耐性菌のことは、かかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。