不妊・去勢手術について
2013 / 07
不妊・去勢手術を行うことにより、望まれない妊娠を避ける目的以外に、犬・猫たちには次のような変化が現れます
今回はそれを「長所」・「短所」に分けてお話をします(現れる変化はあくまでも可能性であり一般論とお考えください)
当院での不妊・去勢手術の方法
- 血液検査等(任意)の事前検査を行い、体調の評価を行います
- 手術当日には絶食・絶水にて来院していただき、聴診等の簡単な検査を実施します
- 注射・麻酔ガスによる全身麻酔を施します
雄(オス)の場合
- 一か所の切開創から左右の精巣を摘出します
- 周囲の止血等を行い出血がないことを確認したうえで、犬では縫合、猫では接着剤により傷を閉じて終了です(手術時間5分から10分)
- 覚醒を確認後、当日の夕方に退院します
雌(メス)の場合
- お腹を開ける(開腹)を行い、太い血管等を3か所結んで、左右の卵巣および子宮を摘出します
- 周りからの出血がないことを確認の上、お腹を縫って閉じます(閉腹)(手術時間は30分程度)
- 念のために一泊入院して翌日に退院します
雄(オス)の去勢
長所
- 将来起こり得る、前立腺・精巣の疾病及び肛門周囲腺腫の予防効果
- オス本来の闘争心が減弱するため性格が穏やかになります
- マーキング(尿かけ)が無くなる又は回数が減ります
- 外出する猫では、外での行動範囲が狭まるため、その分だけ、ケンカ・交通事故・伝染病やノミなどが寄生する可能性が減ります
短所
- 太りやすい体質に変化するため、将来、減量による苦労、内臓・関節疾患に罹りやすくなります
- 手術のリスク
雌(メス)の不妊
長所
- 将来起こり得る、卵巣・子宮系の病気の予防
- 早期(せいぜい2歳くらい)であれば、乳腺腫瘍の予防効果
- 猫ではメス独特の発情行動がみられなくなる
短所
- オス同様に、太りやすい体質に変化する
- 犬の場合、尿失禁しやすくなる性格が怒りっぽくなる
- 手術のリスク
不妊・去勢手術を行うか否かは、獣医さんに相談していただき、飼い主様がご判断ください。