タマタマがない!~停留睾丸について~part1
2008 / 12
ワクチンなどの検診時、タマタマ(睾丸)のないことが、たまたま発見されることがあります。
睾丸(精巣)とは?
オスの生殖器のひとつで、精子を作るホルモンを分泌したりする役割をもつ器官です。
睾丸は、胎児期におなかの腎臓の近くの部位で左右2つ作られ、生後、お腹から股間の袋(陰嚢)へ落ちて移動していきます。
小さいときは、まだ柔らかく小さいため、見つけにくいのですが、生後6ヶ月を過ぎるころから大きく成長してくるため、
はっきり目立つようになります。
停留睾丸(潜在睾丸・陰睾丸)とは?
通常、睾丸は陰嚢とよばれる袋に収まっていますが、一方または片方の睾丸が、胎児期と同様に、おなかの中に居残ってしまう場合や、陰嚢までいく途中(あしの付け根部分など)に残っている状態をいいます。
おおよそ生後10日、おそくとも2ヶ月までには陰嚢に、落ちて移動するのが普通ですが、ごくまれに、これよりさらに遅れる可能性もあります。
おそらく生後6ヶ月以上経過した時点で袋になければ、陰睾丸であると判断したほうがいいかもしれません。
陰睾丸のままで大丈夫?
- ホルモン分泌は?
- 繁殖能力は?
- 将来は?
ほぼ問題なくホルモンが分泌されるため、成長やその他の生活には支障がありません。
左右両方とも完全にお腹にある場合には、体温の影響を受けてしまうので、精子を作る細胞が働か ず、受精能力はまず望めません。
しかし、片方でも睾丸が正常である場合には、受精できる可能性があります。
一生何も問題なく生活できることもあります。
ただし、陰睾丸が腫瘍化を起こす確率は、正常の場合に比べ、数十倍とかなり高くなっています。
そのため、将来「腫瘍化」するという可能性はいつも頭に入れておかなければなりません。
おなかの中にあるタイプの陰睾丸は、なかなか外側から見えたり、触知したりすることは困難ですので特に注意が必要です。