アレルギー性皮膚炎~Part.3~
2022 / 08
今回はアレルギー性皮膚炎の治療についてふれてみたいと思います。
「アレルギー性皮膚炎~Part.1~」「アレルギー性皮膚炎~Part.2~」もあわせてご覧ください。
基本はアレルギーの原因物質を回避することですが、100%回避することは困難なため、少なからずアレルギー症状を示します。
一度アレルギー反応が発生すると、白血球などの炎症細胞を呼び寄せて「炎症」を起こします。
また、先に述べたように痒みを早期に止めないと症状を悪化させます。
治療はアレルギーの回避以外に、いかにアレルギーの症状である「痒み」「炎症」を有効に抑えるかが基本です。
皮膚の微生物を減らす
過剰に増殖した微生物は炎症・痒みを助長させます。抗菌や抗真菌薬を内服して抑え込みます。
同時に薬用シャープでの薬浴も行います。
減感作療法
微量のアレルゲンを年単位で投与していくとアレルギー反応を減らすことが出来ます。
国内で利用できるのは、ハウスダスト特定の抗原製剤で、以前の製剤より強い副作用(アナフィラキシーショック)を起こしにくくなっています。
かゆみを抑える
- 抗ヒスタミン薬
副作用も少なく利用できますが、単味で痒みを抑えるには十分ではありません。 - 抗体医薬品
痒みを脳に伝達する部分に働き、痒みを抑えます。ただし、免疫を抑制するため投与量や期間には注意が必要です。
炎症を取る
- ステロイド
安価で、炎症のみならず痒みも止めるので大変に有効な薬ですが、多飲、多尿、長期の服用で肝機能や血糖値上昇などの心配があります。 - 免疫抑制薬
即効性や胃腸症状に問題がありますが、ステロイドに代わって炎症を抑えます。長期間の投与で免疫抑制により感染症・ガンなどを引き起こす可能性があります。
保湿を重点としたスキンケア
アレルギーはほぼ一生付き合っていくことになります。
症状・経過・費用面など、かかりつけの病院と相談のうえで治療方針を決めていきましょう。