耳のことを知ろう~Part.5~

2022 / 04

今回は「外耳炎」の対処法についてふれてみたいと思います。
耳のことを知ろう~Part.1~」「耳のことを知ろう~Part.2~」「耳のことを知ろう~Part.3~」「耳のことを知ろう~Part.4~」もあわせてご覧ください。

通常の耳掃除は…

先に述べましたように、耳の垢は自浄作用で自然に外に排泄される機能があるため、通常の掃除は表面の汚れを取る程度で十分です。
綿棒やコットンなどで汚れを取る作業は、耳の表面を傷つけるため、見えないかたちで炎症を引き起こしています。ただし、多い耳の毛は定期的に抜いておきましょう。

外耳炎を起こした場合にはどうしたら…

洗浄

耳垢がたまりすぎると、通気性が減弱して悪玉の微生物が増殖し、よくありません。そのため、耳用の洗浄剤を注入して汚れを取り除きます。週に1回くらいが基本で、程度により回数は調整しましょう。
改善しない場合には、病院で鎮静化しての洗浄が必要となる場合もあります。

ステロイド

外耳炎により耳の穴が腫れた状態が続くと、皮膚のみならず軟骨までもが肥厚し、永続的に耳の穴をふさいでしまうことがあります。最悪の場合、手術で耳の穴を広げる必要があり、時に聴力を失うことにもなりえます。
腫れを引かすには積極的なステロイドによる治療が必要です。

抗菌薬

細菌や酵母菌が異常増殖した場合は、抗菌薬を使用します。ただし「耐性菌」の原因になる恐れがあるため、長期の使用は控えなければなりません。単なる微生物の増殖は外耳炎の原因になりませんので、ほかの原因も確認し治療する必要があります。

その他

アレルギー・ホルモン異常・脂漏症・免疫異常など、外耳炎の裏に隠れている原因を探り、同時に治療しないと外耳炎は改善しません。

特に注意が必要

耳の穴の毛が多い:プードル・シュナウザー・シーズー など
耳が垂れる:コッカー・ゴールデンレトリバー など
耳の穴が狭い:パグ・シーズー・ペキニーズ など
耳の軟骨が特徴:スコティッシュフォールド・マンチカン・アメリカンカール など

外耳炎は悪化させると治療は困難です。早期に対処しましょう。

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