アレルギー性皮膚炎~Part.4~
2022 / 09
アレルギー性皮膚炎の治療の一つに抗体療法があります。今回は抗体療法についてふれてみたいと思います。
「アレルギー性皮膚炎~Part.1~」「アレルギー性皮膚炎~Part.2~」「アレルギー性皮膚炎~Part.3~」もあわせてご覧ください。
抗体とは
体内に侵入または発生した異物を排除する物質の一つです。抗体の結合する能力を利用して、異物にくっつき取り囲み邪魔をする(中和作用)、白血球などを呼び寄せて異物を除去します(貪食作用)。
抗体を作るリンパ球は、以前侵入した異物情報を記憶して、再び侵入した際には迅速に作動します。
抗体療法には
従来:ワクチン・血清療法
人為的に病原体や毒物を体内に注入して抗体を作らせて治療に役立てる
近年:抗体医薬
細胞融合や遺伝子操作の技術進歩により、特定の物質のみに結合する抗体を大量に作らせる
抗体医薬
- アレルギー
痒みを伝達する物質に抗体が邪魔をして痒みを抑える(犬用のみ) - 変形性関節症
関節の痛みを伝える物質を邪魔をして痛みを抑える(犬・猫用の新薬) - その他、人用には悪性腫瘍や新型コロナウイルス等の感染症・アレルギーなどで利用されています
抗体医薬の問題点
- 犬・猫・人など、種が違うと効果が無いばかりか有害作用につながる可能性がある
- 頻回投与すると抗体医薬の拒否反応が生じる可能性がある